- 作者: 松本悟,仲吉昭治
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2007/10
- メディア: 単行本
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内容それ自体については、以前読んだ「ガンプラ開発真話」や「ガンダムモデル進化論」の方がよくまとまっていたし、それらと比較して本書にとりたて新規情報があったようにも思わないが、なにせ当事者ですから、いちいち熱いです。せっかく日経から出すのだから、もう少しビジネス面からの分析があっても良さそうなものですが、基本的には「当時の熱さ」を窺い知るための一冊。ビジネスより熱さ、というのはこういう記述からも伺える。
年末商戦用のガンプラとして発売されたのが、12月に発売された「1/60シャア専用ザク」である。麦球を組み込むことでザク特有のモノアイを表現し、さらに塗装しなくてもアニメの設定通りに組めるように三色で成型された。二千円という高額商品ならではの仕様だった。
しかし、私にとっては良心が痛んだ商品だった。なぜ痛んだのか。それはパーツ数が同じで大きいだけという商品だったからだ。サイズを生かしたアイディア工夫がなかったのである。何の苦労もなしに、商品作りを行い、こんなので売れるのかと正直思った。酷く良心が痛んだのであるが、しかし売れてしまった。(pp.108-109)
普通日経の本なら、もうちょっと違う書き方になると思う。リソースとかマーケット動向とか。
ガンプラ騒動の時のやりとりなども当事者らしさが出ている。
当時の雰囲気とかを知ったり、思い起こしたりするには悪くない一冊。