k-takahashi's blog

個人雑記用

ガンダムUC

 ガンダムファンとして知られる福井晴敏氏が、宇宙世紀時代を背景にして書いたガンダム小説。連載中らしい。主な舞台は、逆シャアの3年後、UC0096。おそらくはニュータイプに関わる何らかの情報に絡んだ「ラプラスの箱」。その箱を巡っての、争奪戦がメインストーリーとなる。

 この手の外伝的ストーリーは、既に定まっている設定(時間的に前後ともに決められている)を最大限に生かしつつ、何を語るかというのがポイントになるわけだが、この2冊を読んだ限りでは、福井氏の思惑は、ファーストの語り直しのようだ。主人公バナージは、下巻の終盤で父からガンダムを託されるわけなのだが、そこへの話の持って行き方が、伏線や手順をきちんと踏まえたもの。今見ると「さすがに御都合主義的」と見える部分の多いファーストだが、そのファーストの何を残し何を変えるか、というあたりが福井氏と原案チームの解釈であり、見所。箱なんて、ニュータイプを語り直すための道具にしか見えない。

 組織や戦闘の描写は、さすが福井晴敏。さて、このストーリーと箱とニュータイプ論をどこへ持って行くつもりなのだろうか?