邦題は、「検証「ジェームス・ボンド」Part1」。「ジェームズ・ハイネマンだ」とかノリノリです。アイ・キャッチもわざわざボンド風に仕上げてある。
検証対象は3件。磁石で銃弾を逸らす、銃撃でガスボンベ爆発、ボートで障害物を飛び越える。
「磁石で銃弾を逸らす」は、「死ぬのは奴らだ」に登場したガジェット。強力な電磁石が発する磁力で、悪漢の放った銃弾を逸らしてしまうというもの。ジェイミーの磁石コレクションの中から、腕時計に仕込める最も強力な電磁石を引っ張り出してきた。これに定格の5倍の電圧をかけたところ、575ガウスの磁力を発生。これでスイッチを入れたときと入れていないときとで銃弾のコースに違いが出るかを検証。磁石のぎりぎりのところを通るように設定したが、予想通り影響なし。
そこで、次々に強力な磁石を持ち出してくる二人。最後は、ネオジム磁石を13個並べて6万ガウスまで絞り出し、ここでようやく銃弾のコースを曲げることに成功。
もちろん、映画のシーンの再現自体はBusted。
「銃撃でガスボンベ爆発」は、「カジノ・ロワイヤル」で悪漢に囲まれたボンドがワルサーでガスボンベを撃ち、爆発している隙に脱出するというシーン。
まず、ガスボンベを9mm弾で撃ってみるが、そもそも貫通しない。ショットガンでは穴はあくが貫通はしない。30口径のライフルでようやく貫通する。この時点で、映画のシーンの再現はbusted決定。
次に、プロパンを入れたガスボンベをライフルで撃ってみる。穴はあくが爆発はしない。曳光弾を撃っても爆発しない。ならばということで、焼夷弾を撃ってみることにするが、カリフォルニア州では撃てないのでわざわざ出かけることになる。
これはさすがに成功で。見事に爆発していました。
「ボートで障害物」は「死ぬのは奴らだ」に登場するボートのチェイスシーン。ポイントは、本当に飛べるのか、着水時に壊れないのか、というところ。二人は模型である程度感覚を掴んでから実寸大でのテストに挑む。映画と同じボートは手に入ったが、当然ながら保険会社はそんな危険な行為は認めず、リモコンで操作することになる。次は、実際のセット。土台作りから始めるが本物のボートをジャンプさせるため、相当に大がかりになり設営だけで一苦労。
計算上は時速70キロで18度のジャンプ台に突っ込めば20メートル飛べるはず。では、いかに?
一発勝負のテストでは、残念ながらアダムの操縦が最後の瞬間にややずれてしまい、転倒状態でのジャンプになってしまった。飛距離は充分、ボートも壊れなかったので、伝説自体はplausible。
なお、実際の映画の撮影には、26隻のボートを用意し、17隻が壊れてしまったとのこと。100回近く試行したそうです。
さすがに映画の映像は使えなかったようで、絵コンテで説明していました。題材は面白いものの、ちょっと消化不良気味の展開でした。