k-takahashi's blog

個人雑記用

まじしゃんず・あかでみいRPG

まじしゃんず・あかでみいRPG (ファミ通文庫)

まじしゃんず・あかでみいRPG (ファミ通文庫)

 ラノベ原作付きのTRPG。原作未見だし、システムはSRSベースなので、差分近辺あたりを少々。


 まず、性格判定というルールがある。本ゲームでは各キャラクターに6対12項目の「性格」が設定されている。勇敢/慎重、情け深い/冷静、正直/したたか、信じやすい/疑り深い、寛容/まじめ、情熱的/純情の12個。性格の最大値は8、最小値は0。対になっている項目は逆傾向となり、合計が8となる。例えば、信じやすいが6なら疑り深いは2,ということになる。
 性格判定は、GMの指示、もしくはPLからの要求により行われる。2d+性格の値が12以上だと判定成功となり、「PCはその性格に沿った行動をとってしまう」。
 性格判定に成功すると、「衝動点」というポイントを得ることができる。これは本ゲームにおけるヒーローポイントとなる。(後述)
 基本的にPCにとって不利になることに対して性格判定は行われる。(怪しげな依頼なのだが、「信じやすい」で成功してしまうと受けてしまう、など) その代わりに衝動点を得られるということになる。


 性格判定というと「ペンドラゴン」のルールが知られている(といいなあ)が、あれほど本格的なものではない。判定は1シーン1回までであり、原則として衝動点は5点までしか得られない。
原作を知らないので分からないのだが、キャラ立てにそういう描写があるのなら悪くない使い方だと思う。


 衝動点を消費することで、再判定、クリティカル値操作、ダメージ上昇、代償(特技のコスト)の無効化、超回復、アイテム入手などが実行できる。さらに一シナリオに一回だけ「世界への干渉」という大規模な介入を行うことが可能。これは、GMが認める限りおよそなんでもありで、エキストラの記憶を改竄したり、建物を破壊したりすることができる。


 性格判定や世界への干渉などといったルールは意外な展開をもたらすこともあるが、不慣れなGM・PLだと調子に乗ったあげく収集がつかなくなるかもしれない。そんなときに使うのが「カオスチャート」。システムがデウス・エクス・マキナを取り込んでいるという、ある意味画期的なルールで、ゲームが行き詰まったときにGMが使用を宣言する。「事件は何かの間違いだった。平和に感謝しつつ、エンディングへ」などという、ぶっちゃけた展開が指示される。
 ただし、カオスチャートを使うと経験点は得られなくなる。なので、PLもかき回すだけでなく、チャートが使用されないように努力することになる。

 もともと「あじしゃんず・あかでみい」という作品はコメディ要素が強い作品である。性格判定に成功してしまったPCがその場にそぐわない行動をとることによって、他のPCのプレイヤーが思わず突っ込みを入れてしまうような状況を、セッションに参加しているGMやプレイヤー全員が楽しむゲームとして設計されている。
 とはいえ、好き勝手に性格判定を行っていては、カオスチャートを振ることになり、得られる経験点が減少してしまうかもしれない。PCの行動がプレイヤーのままならぬ様を楽しみつつ、カオスチャートを振らないようにGMとプレイヤーとで協力してプレイする 「MAR」はそんなTRPGなのである。(p.339)


 望むべくは、カオスチャートの適用条件を明示して欲しかった。本文中にも「17時になったら」「シーン数が10になったら」という例があるが、参加者が行き詰まったときに使うルールなのだから、その判断を行き詰まった状態のGMにやらせるのは筋が悪い。機械的に適用判定ができるようにするのがお薦め。なので、プレイ前に参加者一同で機械的に適用できるルールを決めておくと良いと思う。(ゲーム開始から3時間たったらとかね。)