ビジネスで失敗する人の10の法則

ビジネスで失敗する人の10の法則

　具体的なエピソードがたっぷり紹介されているし、読みやすい一冊。でも、多分、読む必要は無い。その10の法則を以下に示すが、どう考えたって当たり前の話でしかないから。

1. リスクをとるのを止める
2. 柔軟性をなくす
3. 部下を遠ざける
4. 自分は無謬だと考える
5. 反則すれすれのところで戦う
6. 考えるのに時間を使わない
7. 専門家と外部コンサルタントを全面的に信頼する
8. 官僚組織を愛する
9. 一貫性のないメッセージを送る
10. 将来を恐れる
11. 仕事への熱意、人生への熱意を失う

　強いて言えば、6番目の「考えるのに時間を使わない」の章だけは、日本人だと誤解しがちかもしれないので、ここだけは読んでおいてもいいかもしれない。

　でも、買っておく価値はある。仕事が立て込んだりしたときや判断に迷ったとき、何か危険な兆候がちらついたとき、そんなときに、ど派手な装丁の本書が目に入ってチェックリストの役割を果たしてくれるかもしれないから。
　凄く幸運な人ならば、それをチェックしてくれる同僚や協力者がいるだろうが、なかなかそうもいかない。そんな時の保険と思えば1600円は高くない。

　「脳天気すぎる」という批判は可能だが、そういう本じゃないと思う。