k-takahashi's blog

個人雑記用

10年後、生き残る理系の条件 〜右肩下がりの中で、どうやって生き残るか

10年後、生き残る理系の条件

10年後、生き残る理系の条件

東芝も、「決断をせず、問題を先送りするうちに、問題が大きくなってしまい、隠しきれなくなった」という、よくある日本的な組織の病だったのではないか。ですから、責任が問われるのは、問題をきっかけに辞任した経営幹部だけではなく、不採算事業を放置してきた歴代の経営者、経営幹部も同様ではないでしょうか。
皮肉なことに、自分の身近で大変な不祥事が起こったことで、「このようにすれば失敗するのだ」ということを、実感することになってしまいました。そして、不祥事から学んだことを、本としてまとめることに何らかの価値があるのではないか、と考えるようになりました。
(おわりに、より)

本書の趣旨は「何が何でも変わろう」というのではなく、「心の奥底では変わりたいと思っているけれども、逡巡してなかなか変われない」という方の背中を、ちょっとだけでも押すことができたとしたら、著者としてこれ以上嬉しいことはありません。
(おわりに、より)


中身は、多分、この問題に感心のある人なら「そうだよね」と納得する内容が大半だと思う。
もちろん、成功者である竹内さんのやりかたをそのまま真似ることは難しいから、「じゃあ、自分はどうするの」ということは考えないといけなくて、そこはやはり結構難しい。それが竹内さんにも分かっているから、上記引用部のような話が出てくるのだろう


キャリア見直しのときのチェックリスト的に使うことはできる(ただ、類似の内容は結構あちことに書かれているのでそれを目当てに本書を買う必要はないと思う)。竹内さんのブログとか読んでいる人が、一冊にまとめられたものを読みたいというなら、ピッタリ。


最後に、エンジニアの職場選びについてのエピソード紹介を引用。

半導体エンジニアから次のような質問もありました。
「必要な技術はわかった。でも、それを開発したところで半導体メーカーは儲からなくて、グーグルのようなサービス企業が利益の多くを持っていくのではないか?我々半導体エンジニアはどうやって食べていけばよいのだ?」
それに対する、グーグルのエンジニアの答えが秀逸でした。
「確かにそうかもしれない。それならば、半導体のエンジニアはサービス企業に転職すればよいのです。自分も以前は半導体メーカーでCPUの回路設計をしていて、グーグルに転職したのです」
(No.1556)