k-takahashi's blog

個人雑記用

ニュートン 2009年7月号

 特集は「ニュートン力学」。相対論や量子論の記事は何度もあったが、ニュートン力学の記事は確かに記憶にない。もっとも、高校で習う範囲だからほとんどの人が知っているというのもある。記事で扱う内容やレベルを決めるのは結構難しかったのかもしれない。
 中身は、運動の3法則の丁寧な説明。アリストテレス流の「矢が飛ぶ理由」(空気が後ろから押すから、というもの。現在では間違っているとされる)やガリレオ慣性の法則の思考実験(斜面の上り下りで同じ高さまで戻るとすれば、斜面の角度がゼロなら運動は止まらない、というもの)あたりから丁寧に起こしてくれている。

 記事中にクイズがいくつかある。
「バスの中に風船を持っている子供がいます。風船にはヘリウムが入っていて浮力により浮いています。バスがブレーキをかけたら、風船はどう動くでしょうか?」というクイズ自体は知っていたのだが、「慣性力は人工重力として作用する」という説明は、なるほどと思った。
いわゆる地球空洞説に相当する「密度一定で中が空洞の球場の薄い殻を考えます。この内部では万有引力はどう働くでしょうか?」という問題も答えは知っていた。ただ、積分すればいいんだよなと考えて、ニュートンの記事にそんな方法が使われるはずがないと思い至った。記事中では相似形を使った図形的テクニックでさらりと解決していた。


 かぐやの撮影した写真を紹介する記事中には、撮影の制約についても記述があった。撮影のタイミングの制約(光の向きが重要)もさることながら、メモリが2ギガビットしかないので1分の映像が2本までしか記録できないとか。2ギガのデータの転送に40分かかることとか。


 インフルエンザの記事もある。今回の新型はH1N1型とされるが、このHの部分はヘマグルチニンのことで、ウィルスが細胞に侵入することに関連し、Nの部分はノイラミニダーゼのことで、増殖したウィルスが細胞の外に出る部分に関連しているのだそうだ。なるほど、この2つが分類のポイントになるわけだ。


 近視についての記事では、近視の原因が主に遺伝であると推定されているとしている。近いものを見過ぎることでおきる偽近視の影響については医学的にははっきりしていないらしい。私が子どもの頃には、テレビの見過ぎとか本を読むときの姿勢だとか言われたものだが、根拠はなかったということか。