k-takahashi's blog

個人雑記用

軍事研究 2009年12月号

軍事研究 2009年 12月号 [雑誌]

軍事研究 2009年 12月号 [雑誌]

 特集は「天安門軍事パレード」。取材規制がかかったようで苦労が伺える。しかし、凄い軍拡を続けているのが分かる。で、その直後に22年度概算要求の記事を持ってくる編集部も人が悪い。(8年連続の減額だもんね) この構成だけで言わんとするところが伝わる。


 装甲メカニズムの連載は、レオパルト2の「ショット装甲」の話。ショット装甲は空間装甲であり、HEAT弾のスタンドオフを狂わせる効果と、APFSDSの侵徹体を分断する効果とがある。あとはレオパルト2の構造にあわせて左右非対称になっているというのが面白い。(斜め前方から被弾した際に、車長や砲手がいる側を守るためと、そもそも左側に同軸機銃があるのとの理由で、左側が手厚くなっている)
回収作業の写真も白黒ながら満載で、こちらも珍しい。


 インテリジェンス解読の方の連載は、冷戦期の対ソ核開発探知。ソ連の秘密主義のせいもあるが、ソ連の脅威の程度をつかむための苦労が書かれている。過大評価と過小評価の失敗を繰り返すわけだが、それでも各種技術(U-2、偵察衛星、通信傍受)などによって評価の精度は上がり、正確な評価は無用な緊張を防ぐに至る。
 ならそれだけ努力した結果が北朝鮮には適用できないのかというと、もちろん問題が北朝鮮だけなら相当程度可能なのだろうが、ロシア、中国、北朝鮮、イランと問題国家の数も増加しているわけで、そう簡単にはいかないということらしい。