- 作者: 吉崎達彦
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2010/04/16
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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「かんべえの不規則発言」は政治や経済はもちろん、国際情勢やサブカルチャーまで、いろいろなネタを取り上げてきた。10年たって読み返してみると、やはりいちばん「腐らない」のは経済の話である。(p.5)
だそうです。
文体が砕けた感じなのは、鹿野司先生同様に、あまり権威的になるのを避ける工夫なんでしょうね。
ウェブの方も拝見させて頂いているのでほとんどは知っている話でしたし、さっと読める(ように工夫されている文章)なので、軽く読んで、ちょっとした蘊蓄や別視点を知って得した気分になれば良いのだと思いますが、一点だけ。
その昔、ケネディ政権の頃のアメリカは、全世界的なカルテルを作って、コーヒー豆の買い支えを組織的に行っていた。コーヒーを生産している国は、たいがいは発展途上国だったので、当時の共産主義国にとっては絶好の狙い目であった。だったら、少しくらいコーヒー豆を高く買っても良いから、お金をあげてそういう国を助けてあげましょう、てなことを当時のアメリカはやっておった。(p.144)
の部分を読んで「え?」と思った。
ケネディ政権の頃と言えば、1960年代である。60年代と言えば、服部正也氏がルワンダで総裁をやっていた時期と重なる。服部氏がルワンダ経済を立て直すときに、コーヒーの生産や輸出を基盤にしたことは「ルワンダ中央銀行総裁日記」*1にも書かれていたが、あれは当時の冷戦対策に繋がっていたわけか。変なところで知識が繋がった。
*1: