k-takahashi's blog

個人雑記用

対人型テレビゲームにおけるプレイヤの性格特性と相手プレイヤ態度の相互作用の脳機能計測による検討 〜親密になるには、拳で語り合うより協力プレイの方がよい?

 情報処理学会の研究会の報告より。関西大学の神野将一らの研究。

対人型テレビゲームにおけるプレイヤの性格特性と相手プレイヤ態度の相互作用の脳機能計測による検討

著者名:
 神野, 将一
 風井, 浩志
 片寄, 晴弘

論文抄録:
本研究では、複数人数プレイのテレビゲームにおいて,ゲーム上での相手プレイヤの態度の違いが対人認知 (親密度評定) ・ゲームの主観的評定(”楽しさ”) ・大脳皮質前頭前野の活動 (NIRS による計測) に与える影響を検討した.ゲームタイトルとしてマリオブラザーズ任天堂)を用いた.被験者には協力的な相手と妨害的な相手それぞれと対戦してもらった後,特性形容詞尺度を用いて相手プレイヤーを評価してもらった.実験の結果,協力プレイの方が妨害プレイよりも 「親密度が高くなる」 という傾向が認められた.協力条件・妨害条件において 「ゲーム楽しさ」の間に違いは無かった.前頭前野の活動には条件による差は認められなかった.

情報学広場:情報処理学会電子図書館

 なにやら「ゲーム脳ですか?」的な研究かと思ったが、そんなことは無かった。(ゲームの種類やプレイヤーの熟達度による賦活部位の違いというのは、すでに研究報告があるとのこと)


 ゲームを通じてのコミュニケーションが対人関係構築にどういう影響を持つか、とかそういう関心からの研究らしい。
本文を読んでみたら、協力的プレイの場合はおおむねプラスの評価だが消極的という評価をされることもあるとか。そう簡単にモデル化できるものではないようだ。

 被験者はすべて20代前半の男性で22名、実験者(プレイ相手)は1名、30秒間の安静+60秒間のプレイを3セット。ゲームも1種類だし、かなり限定的な条件。他の要因の評価も必要ということは「おわりに」の部分にも書かれていたので著者も承知の上なのだろう。
研究費が付きやすそうなのは、子供への影響とか、高齢者への効果とかなんだろうな。


 ふーん、こんな実験があるのか、とちょっと面白かったので紹介。