録画が溜まっている「怪しい伝説」だが、昨年12月に本国で放映されたスペシャル版が日本でも放送になったので見てみた。タイトルから分かるとおり、バラク・オバマ大統領からのリクエスト。
大統領本人も娘さんも番組のファンだとか。"Science requires try and error"とか、言ってくれる。（アダムとジェイミーをホワイトハウスに招いてのシーンもあって、大統領がしっかり "exactly!"と言ってました。）
検証内容は、アルキメデスの兵器（太陽光線を鏡で集めてローマの軍船を焼いた、という伝説）。過去2回検証していずれも失敗しているが、大統領の要望を受けて、前回よりも多い500枚の鏡を使うことに。
この実験のポイントは、照準合わせ。ただ鏡を並べただけでは自分の反射光がどこにあるか分からず、ずれを修正できない。そのため照準が合わず温度も上がらない。それは分かっている。今回はアダムのアイディアで、鏡を持った兵士の前に網を置いた。これでぐっと照準が合わせやすくなる。（スタッフ12人による実験でも有効な結果が得られた。）
さて、中高生500人の協力の下実験開始。当時の鏡（青銅製）ではらちがあかず、早々に現代の鏡に持ち変える。そして奮闘すること1時間。帆の温度は約140度にまで上がったが、火を付けるのはやはり無理。ということで伝説はBusted。
ただ、船に乗っていたジェイミーによると、まぶしさ・不快さは相当なもので、焼けないまでも効果はあったのではないかとの結論。
番組についての報道はあちこちにあるが、簡単なインタビュー付きがこちらに。
Plante asked Savage and Hyneman what kind of impact "Mythbusters" has on kids. According to the White House, the show has 13 million viewers each week and is popular among 9-14 year olds. Hyneman told Plante it's about having fun with science.
President Obama Puts 'Mythbusters' to the Test - CBS News
"Neither Adam or I are scientists, we're not engineers or anything of the sort," he said. "We just have a lot of fun and the thing is, fun for us happens to involve science and satisfying our curiosity."
（適当訳：「怪しい伝説は」1300万人が見ている番組で、9歳から14歳の子供に人気がある。科学を面白がるのだ。アダムもジェイミーも科学者や技術者のたぐいではない。楽しんでいるのだ。楽しむ中に科学があり、好奇心が満たされるのだ。）
アシスタントチームの方は、ヘルボーイの一シーンの検証。走ってくる車のボンネットにヘルボーイが拳をたたきつけて車を一回転させてしまうシーンがあるが、そんなことは可能なのか。
まず実車で実験。６８０ｋｇの重りを高さ６ｍから時速４８ｋで走る車のボンネットに落とすというものだが、なかなかタイミングが合わない。なんとかタイミングを合わせることに成功するものの、後輪が浮き上がることすらない。
改めて、模型で実験を繰り返すが、どう条件を調整しても車を回転させるのは無理（回転するとしたらてこの原理で回ることになるが、重心を考えると回転はちょっと無理という結論）ということで、伝説自体はBusted。
さてここから追加実験。車のルーフから前にてこのようなものを伸ばして、そこに重りを落としたらもしかすると、ということで、こちらはぶっつけ本番の実車実験。
後輪が大きく跳ね上がりはしたものの、やはり回転は無理でした。
