k-takahashi's blog

個人雑記用

情報処理学会誌

先月号がミクのおかげで騒動になっていた情報処理学会誌。今月は普通にCGの記事だったけれど、巻頭コラムが面白かったので、ちょっと紹介。


書いているのは羽生善治さん。将棋の棋譜データベースの話題で、新しいデータの検索も、古いデータの検索も面白いし有用だという話から始まる。

情報は量によって厚みが加わると言うことです。量が多いほど調べて分析したときに全体像が捉えやすくなります。また、必要なものと不必要なものを区分するプロセスで頭の中が整理されることもあります。

面白いと思ったのはこの後。データの欠落について述べた部分。

時系列で追っていくとどのようにして最先端の形までたどり着いたのか分かるわけですが最近、少し変化があります。それまではデータベースにある公式戦でアイディアが現れてそこから次の対策、アイディアが生まれるというプロセスでしたが、昨今は公になる前に研究が進んでしまい、1回も公式戦で指されることもなく結論がでてしまうこともあります。それでも良いわけですが、後から調べるときはその部分はデータとしては空洞となってしまいます。

将棋の話だけれど、データの空白という大事な話をちゃんとしている。