k-takahashi's blog

個人雑記用

ドラえもんは物語る

ドラえもんは物語る―藤子・F・不二雄が創造した世界

ドラえもんは物語る―藤子・F・不二雄が創造した世界

著者自らによる紹介がこちらに

 藤子・F・不二雄先生が描いた『ドラえもん』は、実に1300話以上にも及びます。その中から、私がいま論じたいと思う5つの話(「うそつきかがみ」「かげがり」「ゆめふうりん」など)を選び、それらの話を精読しながら、私が感じたこと・考えたこと・分析したこと・研究したことなどを述べています。
 そのうえで、それら5つ話と関連が深いと考えられる『ドラえもん』の他の話や、別の藤子・Fマンガ、他作家の物語作品(民話、小説、落語など)との比較対照を行ないながら、『ドラえもん』という作品の魅力、藤子・F・不二雄先生の作家性に迫ります。

『ドラえもん』を論じた本を出します! - 藤子不二雄ファンはここにいる/koikesanの日記

評論というほど硬くはなく、エッセイというほど柔らかくはなく、という内容で、「藤子本」というしかないなあという感想。
藤子先生のインタビューや、他の藤子漫画、関連エピソードや類似した他のストーリー類などを多数織り交ぜ、合わせて漫画としての表現手法解説などもある(「かげがり」での白黒の使い分けの解説とか面白い。)という面白い一冊になっていた。少人数のファンの集まりで濃い目の話を聞いたような感覚に近いと思う。


色々な話題に触れながら愉しむというタイプの本なので、とくにポイントみたいなものは書きにくいのですが、冒頭(p.9)の「ドラえもんの主人公は?」というのは面白い見方だと思った。『ドラえもん』の主人公はのび太で、『オバQ』の主人公はオバQ。こんな感じで、タイトルと主人公が一致するかどうかでも藤子漫画は分類できるのかもしれない。