k-takahashi's blog

個人雑記用

ゲームシナリオのためのミリタリー事典

ゲームシナリオのためのミリタリー事典 (NEXT CREATOR)

ゲームシナリオのためのミリタリー事典 (NEXT CREATOR)

ファンタジーSFミステリーときていたシリーズだが、今回はミリタリー。確かに需要はあるだろう。


著者が坂本雅之氏であることから期待できるとおりで、内容はしっかりしていて問題無い。戦争とは、軍隊とは、というところから陸海空、特殊部隊、電子戦まで。2ページ1項目で110項目が説明されている。
この2ページ1項目というのがやはり制約になってしまっていて、もう少し具体例とか引用とか増やした方が良いかもな、と思いながら読んでいた。(その意味で伏せ字みたいな書き方は止めて全部明記すべきだと思った。)
引用というのは、実例だけでなく、有名なフィクションでもよい。その場合は、リアル/創作の差異を創作意図的なところまで説明しなくてはならなくなり分量的には厳しくなるわけで、それで削ったのだろうけれど、あった方が良いかな、と。


創作系向けだと、やはり特殊部隊を扱うことが多いだろうからそこの部分はもう少し踏み込んで解説した方が良い。
とは言え、「特殊」に対しては、特殊じゃない「普通」があっての話。この「普通」が分かっていない人を想定読者だとすると、説明の広さと深さのバランスは悩ましい。
いっそ、「ゲームシナリオのための特殊部隊」とか書いた方がいいのかも。


シビリアンコントロールの解説とかちょっと誤解されそうかなと思った。
あと、技術、社会の変化がミリタリー(装備や戦術)にもたらした影響とかはもう少し説明が欲しい。そういう「変化期」が創作の舞台になることが多いから。(分量が激増するから難しいだろうけれど)