k-takahashi's blog

個人雑記用

てのひらの宇宙

星雲賞はファン投票で決まるだけに、どこがSFなのかと思うようなへんてこな話もあれば、直球ど真ん中の本格SFあり、ダークな幻想小説あれば爆笑ギャグあり(序文、より)

わりとその時の空気で受賞作が決まるところもあり、そういう意味では「暗黒星雲賞」と同じであるとも言える。
なので、できが良いかどうかとは別の軸の評価となる。有名な話だが、光瀬龍平井和正が未受賞であり、そして星新一も受賞していない。一方で、あとから見ると「?」としか思えないような作品もある。まあ、それはそういうものだということで。


とはいえ、さすがに全くの愚作が受賞することは少ないので、受賞作リストはひとつの目安にはなる。そんな星雲賞国内短編部門受賞作から、「1作家1作」「70枚以下」「手に入りにくいもの優先」といった基準で選ばれたのが本書。
なので『白壁の文字は夕日に映える』(荒巻義雄)や『ダイエット方程式』(草上仁)といった入手困難作、『ヴォミーサ』(小松左京)などが選ばれている。
一方で、『言葉使い師』(神林長平)や『火星鉄道十九』(谷甲州)といった作家の代表作もある。


ファン投票で選ばれる作品という意味では、『そばかすのフィギュア』(管浩江)が代表にふさわしいのだろうと思う。SFガジェットがあって、社会への影響が書かれていて、そしてオタクが主人公。