- 作者: 井上孝司
- 出版社/メーカー: マイナビ出版
- 発売日: 2014/01/28
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログ (2件) を見る
F-35戦闘機、イージス艦、無人機の3章からなる。単行本にするには微妙な量だけれど、電子書籍にして低めの値段をつければバランスは取れる。こういう記事は、パッケージにまとめておくことに意味があるので、これは非常に嬉しい。
軍事研究あたりに比べるとやや一般向けの色彩が強いが、非常に的確にまとめられているので、入門用にはもってこいだと思う。兵器のスペックではなく、それがシステムのなかでどう位置づけられるかというところの重要性もしっかり書かれている。
例えば、ミサイル防衛。パトリオットだのイージスだのが取りざたされることが多いが、
弾道ミサイル防衛で何がいちばん難しいのかと言えば、広い範囲に配備してネットワーク化した資産の連携と、得られた情報に基づいて遅滞なく、かつ適切な資産に対して交戦の指示を出す指揮管制機能
(No.482)
ここで、「資産」という単語を使っている。これは軍事用語の resource のことではあるが、当然IT業界も意識した表現である。
また、開発についても、
小さく作って、小さくテストして、そこから多くを学ぶ(Build a Little, Test a Little and Learn a Lot)
飽くなき優秀性の追求
費用対効果
(No.822)
これも、IT業界を意識した部分だろう。
井上孝司氏と言えば、冬コミにエネルギー兵器の記事をまとめた同人誌が出ていて非常に良いと思ったのだが、電子書籍で一般にいつでも手に入るようにしてもらえるとさらに嬉しい。