- 作者: 小松左京
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
- 発売日: 2016/07/25
- メディア: Kindle版
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の毛のよだつ怪談から、大笑いのコメディ、ひねりの効いたアイデア・ストーリー、じんわり沁みる普通小説、実話テイストの落語小説などなど……。
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あえてSF分少な目(幾つか入ってます)にした小松左京の短編集。電子版だけにすることで分量バランスとかは考えないようしたのだろう。
収録作は、「夜が明けたら」「日本売ります」「模型の時代」「終りなき負債」「牛の首」「兇暴な口」「骨」「旅する女」「流れる女」「明烏」「くだんのはは」「召集令状」「一生に一度の月」「天神山縁糸苧環」「氷の下の暗い顔」。
全体としてはホラーっぽい印象がやや強いけれど、いかにも小松左京っぽい。描写はさすがに時代がかったものも多いが、そこを差し引いても面白い。
インパクトとしては「天神山縁糸苧環」が良かった。落語ネタの小説という変わり種だが、終盤の盛り上がりはさすが。大森氏はここに繋げるのを意図して「女シリーズ」とか配置したんだろうな。
現代の目から見て面白いのは「模型の時代」。50年前の1968年前の作品だが、
人間が働かなくてもいい時代。
模型の時代 - Wikipedia
人々は、模型(プラモデル)という娯楽に没頭していた。そのためにその技術は進歩し、日常用具を模したものは実際に日常用具として使えるなど、何が模型で何が実物かわからない時代となってしまっていた。
という、今の視点で見ると当時とはまた違った意味合いが湧いてきているように感じた。