k-takahashi's blog

個人雑記用

ゲーム・ウォーズ

西暦2041年。革新的なネットワーク“オアシス”が張りめぐらされた世界は、深刻なエネルギー危機に陥っていた。ある日、その“オアシス”の画面に、「ジェームズ・ハリデー死去」のニューステロップが流れる。ハリデーは、“オアシス”を開発し運営する、世界的億万長者で、ゲーム業界のカリスマ的存在だ。テロップに続いて、ハリデーの遺書ともいえるビデオメッセージが現れ、“オアシス”内に隠したイースターエッグを一番先に見つけたものに、遺産のすべてをゆずることが宣言された
(あらすじ、より)

もし『チョコレート工場の秘密』の工場主ウィリー・ワンカがゲームデザイナーだったら。
そのゲームデザイナーが1980年代オタクだったら。
(訳者あとがき、より)

ストーリーは普通と言えば普通だし、ラストは割と平凡に落としてあるが、エンタメということならこれで正解。
オタク少年がオタク知識を使って世界を救う話。願望充足小説だと笑わば笑え。これでもかとばかりに80年代(を中心にした)ネタを叩き込み、日本ネタも多数。そして、終盤では日本ですら実現していないまさかの対決。読んでいておかしいやら、呆れるやら、感心するやら。
元ネタへの親近感がどれだけあるかで、楽しさがだいぶ違ってくるだろうとは思う。私は、音楽はともかくゲーム系や大体分かるし、映像系もそこそこ見たことがある(ホーリーグレイルとかウォーゲームとかレディホークとか)ので、そこは十二分に満喫。


あと、オタク知識とディテールがやたら書かれているのだが、読みにくくならないようにまとまっているのは凄いなあ、と思う。好き放題に書き込んでいるようだが、書きすぎにならないようにセーブしたんだろうなあ、大変だったろうに。


しかし、なんだって原題の"READY PLAYER ONE"をねじ曲げてこんな邦題にしてしまったのだろう?
映画化するときにというならまだしも、読者層を考えれば小説の段階はそのままで良かろうに。