k-takahashi's blog

個人雑記用

シド・サクソンのゲーム大全

シド・サクソンのゲーム大全

シド・サクソンのゲーム大全

シド・サクソン(『アクワイア』や『キャント・ストップ』、『ハグル』などで知られる有名ゲームデザイナー)の本の和訳が出ると聞き、「面白そうだな」と思って注文しようとしたら、お値段5000円。
ゲーム付きにでもしたのかと思ったが、ハードカバーで豪華装丁ではあるけれどあくまでも本。
どうしようかと思ったが、ニューゲームズオーダーだから大丈夫だろうと決めて、ポチっと。


はてしない物語』のように装丁に意味がある本はもちろんあるが、本書はそういうわけではない。シド・サクソンに対する敬意の現れ、ぐらいの感じでいいと思う。


内容は、基本的にはゲームのルール紹介本。紹介と言ってもダイジェストではなくフルセットが掲載されていて、その多くにプレイの例が付いている。もし自分でやってみたければ、コンポーネントもシンプルなものが大半なので簡単に自作できる。それが38個掲載されている。
それぞれについて、どういう経緯で作られたものかとか、デザイナーはどういう人だとか、どういう風にプレイされたかとか、そういったことが書かれていて、そっちも面白いというか、今本書を読む人の主たる関心はこっちの部分だろうと思う。版を重ねた本なので大きな間違いとかは修正されているはずで、内容の信頼性が高いところもポイント。ゲーム史研究とかする人には必携本になるだろう。


ウォーゲーマーとしては、シド・サクソンの友人たちのなかにダニガンが入っているのがよい。
AHから出ていた"Origins of World War II"の元ネタになった"Origins of World War I"のルールが掲載されている。いわゆるウォーゲームではないが、CRT使ってる。


おまけ
 夫婦での欧州旅行中に、ゲーム屋でひたすらゲームの品定めをしていて、呆れた店員さんが奥さんに椅子を持ってくる様子とか書かれていて苦笑。オタ夫婦あるあるな情景ではあるが、半世紀前にやっていたのね。