k-takahashi's blog

個人雑記用

ニュートン 2018年8月号

時間を科学する(連載 第1回)

ブラックホールの内部では移動が一方向にしかできなくなる。つまり空間が時間的になる。さらに数式上は時間が空間的になる(時間を示す項が空間を示す項と同じ形式になる)のだそうだ。
もっとも、二間瀬教授は「それが具体的にどういう現象を意味しているのかは、正直そうぞうできません」と語っている。そりゃそうだろうな。

なお、時間を2次元以上とする理論も構築可能だが、因果律をどう表現するかとか困難も多いらしい。

猫(ペットの科学 第2回)

猫が甘みを感じないというのは聞いたことがあったが、その理由が解説されている。甘味受容体の遺伝子の一部がネコ科全体で壊れているからで、ただネコは肉食なので甘い系の栄養源が不要だからそれで困らない。
(トロはケーキを食べて喜んでいたが、実は甘みは分かっていないのかも)

三毛猫が基本的にメスだけなのは、体毛を決める遺伝子がX染色体上にあるからで、オスはX染色体が一つしか無いので追加の色は1つだけ(つまり2色にしかならない)という理屈らしい。

土偶

国立博物館の「縄文」展合わせ。
やはり第一印象だと遮光器土器だねえ。

はやぶさ2

こちらもいよいよ到着というのに合わせた記事。
スケジュールや軌道、どんなサンプルを狙うのか、などが解説されている。

エピゲノム編集

エピジェネティクスの話は知っていたが、CRISPRの技術を使って切断の代わりにメチル化させるという方法でエピゲノム編集が簡単にできるようになったというのは知らなかった。
有望技術なのは分かるし、遺伝子を改変しないので忌避感も少ないというが、逆に従来の遺伝子操作の規制がかからないのでそれで大丈夫かという話にもなっている。

短信

コウモリが超音波の反響を利用して飛んでいるのは知られているが、では、群れで飛ぶ場合どうやって自分の出した音波と他のコウモリが出した音波を区別するのか。というのを実験したという論文が紹介されている。
一匹ずつ飛行させると同じ終端周波数になるが、群れで飛ばすと終端周波数が変わってくることがわかった。
ただ、数匹ならともかく数百匹だとどうなるのかはまだ研究中。


肥満ががんを進行させるメカニズムの研究が紹介されていた。
マウスの膵臓を使った実験で、通常はがん化した細胞は排除されるのに肥満個体ではそのメカニズムが働かないことが観察された。


ぎっくり腰が痛い理由は、炎症を起こした部分の近くを通る神経にも痛みが伝わってしまうため炎症が起こっていない部位も痛みを「感じて」しまうからだそうだ。いわば錯覚なのだが、痛みは痛み。