イーガンの短編集。比較的長めの短編を6編収録。
『七色覚』はテクノロジーのスピード感が良い感じ。作品中では拡散がもの悲しさに繋がっているが、現実は土足で踏み込んできたあげく弾圧することがあるのだから、それよりはましなんじゃないか、と香川の方をみながら思ったりする。
『ビット・プレイヤー』は仮想世界内のキャラクターの動きというか、意思を獲得したNPCという感じ。『グラン・ヴァカンス』を連想しながら読んでいた。
『鰐乗り』『孤児惑星』は、ワープはないけれどナノテクは発展した世界での宇宙探索もの。個人が夢と精神力で宇宙探索(開発)するというのは、古き良き宇宙探検SFの香りでもあるのかもしれない。『孤児惑星』はセカイ系ということになるのかな。