k-takahashi's blog

個人雑記用

ぼくの、マシン

 アンソロジーラッシュの中、大森望

  • 有名作品でも、文庫になっているものも気にせず収録する。但し一作家一作品
  • 狭義のSF性重視
  • 但し、「ゼロ年代SF傑作選」「日本SF全集6」「年間日本SF傑作選」「NOVA」との重複は避ける

という条件で選んだ2冊組みの傑作選の一番目。「宇宙・未来編」と帯には書かれていますが、テクノロジー中心くらいの軸でしょう。


 上遠野浩平の『鉄仮面をめぐる論議』は、ナイトウォッチの番外編で、たぶん未読作品はこれだけだと思う。


 時代の移りを強く感じたのが、表題作の「ぼくの、マシン」(神林長平)。2002年の作品なのだが、ネットワークインデペンデントなコンピュータを使おうとする深井零の子ども時代のエピソードが描かれていて、これはこれで雪風スピンオフとして面白くはある。
SETI@homeが話題になっていた頃だったなあ、と、そういう意味で感慨深かった。


 本書の中だと、マイベストは「ラギッド・ガール」。

著者の言葉 飛 浩隆
 本作は、連作<廃園の天使>に属する。2002年に発表したその第一作『グラン・ヴァカンス』の書評で、大森望氏は「イーガン以降の目で見ると色々不満も残る(大意)」と書かれた。
「ほう、それなら目にもの見せてくれやがりますわ、ホホ」と一念発起した結果この「ラギッド・ガール」が書けた、という面もある。(p.388)