k-takahashi's blog

個人雑記用

コボルドのRPGデザイン

 

帯にある「ロールプレイングゲームのデザイナーを目指すすべての人達へ」というのが内容を的確に示している。一つ加えるならば「プロの」という一言かな。テーブルトーク型を想定しているけれど、ちょっと考えれば電子ゲームにも適用できるし、昨今の運営型ゲームにももちろん使える。

 

もちろん、アマチュアとして原稿を書いたり、マスターをしたりするのにも役に立つ。流用できるアイディアは多いし、デザイナーがマスターに期待するものが何かという視点も資料を読んだりネタを考えたりするときには有用だから。

 

あと、全40章からなるので、それぞれに対応したネタでコラムをやるなら、40回分の連載をすることもできる。

 

ということで、「RPGデザイン」に興味のある人は是非。

 

以下、例によって自分用メモ。

 

あらゆるエンカウンターは高彩度なスタイルで描かれなくてはなりません。(p.28)

そのデザインが簡潔なルールと説明をサポートできているかどうか、計画的な緊張感の激化があるかどうか、またプレイヤー達が背景設定や敵に魅力を感じずにいられないフレーバー豊かで高彩度な環境を提供できているか(p.31)

 

デザイナーに一番よくあるミスはライターが犯すのと同じです。上手くいきそうな素器のアイディアや草稿に固執してしまい、よりよい手段を探さなくなることです。
(中略)
あなたがダメだと確信しているアイディアが、その歪な表面の裏に、何か価値のある別の選択肢を隠し持っている可能性もあるのです。(p.68)

 

RPGはプレイヤー対象のキーメカニクスと、GM対象のキーメカニクスのバランスを取る必要があります。(p.73)
GMに対しては、冒険が予期しない方向に向かったときのためのツールや背景ストーリーを必要とします。(p.163)

 

D20システムは、以前の版のD&Dを含む他のシステムよりも容易にプレイヤーがGMへと移行できるという、興味深くも望ましい副産物も産み出しました。(p.114)

 これ、言われてみてなるほどと思った。

 

たいていの場合、戦闘が最もエキサイティングなエンカウンターのタイプだと見なされますが、実際は脅威と交渉のエンカウンターこそが最高にテンションの上がるタイプだと思います。私はこれを「ほぼ戦闘」エンカウンターと呼んでいます。(p.204)

 

シチュエーションをデザインする(p.214)

スキル判定を行う場面展開では、場合によってはダイスを振る判定回数が極端に少なくなり、結果のばらつきが大きくなりがちです。(p.222)

 

極めて初期のころから、地図、状況などあなたの持つ材料をシステムのテストプレイに駆けるのが有益だ(p.248)

 

プレイヤーは読み上げられた文章の中でも最も優先順位の高そうなもの、あるいは最後に聞いたものを軸に行動する傾向があります(p.308)

 

ステージ設計(p.313)
要素は3つあります。事件発生、真相暴露、クライマックスです。(p.314)
コンフリクトを増強していきます。予告、紆余曲折、真相暴露です。(p.315)

 

気になった段階ですぐには修正しないでください。そのまま読み続けます。(p.329)

 

GMには重要なツールと情報を提供しなければいけません。「サンドボックス」を「手抜き」の同義語にはしないでください。(p.334)
非直線的な構造、バケツ構造、イベントトリガー構造です。(p.334)
デザインの観点から見て、最大の罠は、プレイヤーから見える要素や発見可能な要素より、ロケーションやNPCの背景ストーリー、歴史の方にあまりに集中してしまうことです。
(中略)
アドベンチャーの焦点を「今、この場所」に絞りましょう。そうすれば、あなたのデザインは実際のプレイで用いることができる強力なツールを、より多くGMに提供できるようになります(p.341)
画面を記憶に残るものにするグレースノート(装飾音)(p.343)

 

テストプレイのゴールデンルールは「メモを取って先に進む」です。(p.370)

 

投稿を成功に導く秘訣は何でしょうか? 私の考えでは、アドベンチャーデザインにおいては、PCが何をするのかの説明に大部分を割いていることです。これはゲームデザイン上で、より一般的なルール部分に当たります。つまるところゲームデザインとは、プレイヤーの行動に関するものなのです。(p.393)

 

サンプル原稿の版数が公式な雑誌の記事にならないので、TSR社では毎月、掲載される分の2倍のサンプルにゴーサインを出していました。(p.408)

 まず完成させろ、というよくあるアドバイスの裏側。

 

デザインの時間は、習慣にする必要があります。時間と場所を一つにして、それを繰り返してください。(p.414)