k-takahashi's blog

個人雑記用

シノビガミ

 冒険企画局河嶋陶一朗氏デザインの現代忍術バトルRPG。実際には、伝奇バトルRPGPvPの一騎打ちを遊ぶためのゲームで、それ以上でもそれ以下でもない。

RPGの類に於ける対戦は、PVPと呼ばれることもある。愛着のあるキャラクター同士が勝ったり負けたりするのは、他のジャンルでは味わえない緊張感だ。(p.8)

と書いてしまっていることからは、RPG以外のゲームをあまりやらない人がターゲットであることが伺える。
 250ページのうち、最初の150ページがリプレイ。システムがこの量だと、確かに書籍形式にするしかないな。


 基本的には、トークン(情報(居場所、奥義、秘密)やプライズ)を取り合うゲーム。口プロレスにならないように、手順や活動回数などはかなりかっちり規定しているのだが、そのせいで、なおさらボードゲームっぽい印象になっている。
 、ワンシーンRPGとして最低限のルールをキャラシート上に整理してある。付録として付いている、「サマリ」「戦場表」「キャラクターシート」「ハンドアウト」があればプレイ可能だろう。


 行為判定は

  • 特技の決定:判定に使用する特技を決定する。基本的にはルールで指示されている
  • 特技の確認:その特技を持っていなければ別の特技で代用できる。特技表で、指定された特技から最も近いものを探し出し、離れているマスの数だけ難易度が上昇する。
  • 目標値の決定:特技があれば目標値は5。なければ、5+離れているマスの数が目標値となる。
  • 判定:2d6を振り、目標値以上なら成功。

というもの。
 系統(表では縦方向)は単に並んでいる分を数えれば良いが、系統が異なる(表では横方向)方向には空マスが書かれており、より離れているという扱いになる。一方で習熟している系統はこの空マスを無視できる。という感じで、技能の特徴付けはうまく処理されている。
 ただ、この方式は使用する技能の分類と利用判定とを明確化できないと混乱が生じる。本作のように場面が限定されているゲームならばうまく機能するだろう。


 デザイナーの意図は分かる。伝奇バトルをTRPGでというのに適当なシステムは無かったし。Lead&Readより安いのだから、まあこれはこれでありでしょう。