k-takahashi's blog

個人雑記用

逆説のスタートアップ思考

 

ここで「逆説」というのはパラドックスのことではなく、「直感や常識に反する」ということ。

1.不合理な方が合理的
2.難しい課題ほど簡単になる
3.本当に良いアイデアは説明しにくい
4.スタートアップの成功はべき乗則に従う
(No.268)

これがどういうことなのかを一冊使って説明している。スタートアップを対象にしているのは、「急成長する組織」を対象にしているということなので、ベンチャーであっても堅実路線のビジネスは対象外だし、大企業でもプロジェクトによっては対象になってくる。


「不合理が合理的」というが、不合理と言っても本当に不合理では駄目で、「多くの人が間違って合理的だと考えていること」に対する不合理な考え方でなくてはならない。多くの「不合理な」(悪い)アイデアというのは、単に悪いアイデアであることが大半。そうではなく本当は良いアイデアを探すのは容易ではない。これは3番目の説明しにくいにも通じる。

 

「難しい方が簡単」というのは、難しい課題の方が競争が少なく協力を得やすいからスタートアップの運営としては相対的に簡単であるということ。もう一つ「面倒」と「難しい」の違いがあって、面倒なこと(やらなければならないがやりたくないこと)をきちんとやるのはやはり価値があるし協力も得やすい。

 

説明しにくいというのは、新しいものが説明しやすいはずはないということで、1番目の「不合理に見える」とも通ずる。課題と解決策の両方について、新しい言葉を見つけ出し、説明してそれを納得してもらうということだから、説明は大変になる。

 

べき乗則は、これは幾何級数的にと言えば最近はすぐ通じるかな。(コロナの話だものな)

 

スタートアップぽいなと思ったのが、独占を狙うのが大事で、独占のための戦略では素早さが重要というところ。そして、
1.小さな市場を選ぶ
2.少数の特定顧客が集中している
3.ライバルがほとんどいない
4.顧客に刺さり続ける仕組みがある
5.限界費用が低い

小さな市場というのは本当に小さくては駄目で、今は小さい(少ないリソース投入で独占できる)が、将来的には指数関数的に改善・拡大していくものでなくてはならない。(べき乗則が効いてくる)。ここは競争に勝つ方法というよりは競争しない方法と言える。

 

そうしてその市場(今は小さいが爆発的に拡大する)で優位な立場を続けるためには、
1.プロプライエタリテクノロジー(独自の技術)
2.ネットワーク効果
3.規模の経済
4.ブランド
のいずれか、あるいは複数が必要となる。これは通常の競争でも言えることだけれど、急成長期はそもそも競争をしないようにしていて、その後競争が始まってしまったときのやりかた。


更に現実のビジネスでは、更に3つ、「ディストリビューション」「政府」「複雑な組み合わせと調整」という要素がある。これは、「難しい課題」の延長の考えになる。

 

 

自分でスタートアップをしたい人だけでなく、スタートアップとつきあう大企業の人、スタートアップを理解したいテックオタクの人とか、面白く読めるし理解が深まると思う。