k-takahashi's blog

個人雑記用

ニュートン 2024年3月号

 

特集は「バイアス大図鑑」。いわゆる認知バイアスについて、項目毎に説明している。ネガティブ・バイアス、錯誤相関、保有効果、単位バイアス、おとり効果、デフォルト効果、正常性バイアス、現在志向バイアス、確実性効果(プロスペクト理論)、貢献度の過大視、フォールスコンセンサス、平均以上/平均以下効果、内集団バイアス、などなど。

まとめの部分に「事例をあらかじめ知っておくことで、自分の考え方の癖を意識する機会が増えるでしょう」とあり、これが重要。知ってて悪用してくる連中多いからね。

 

「シンメトリーの物理学」は、図形の対称性の話から始まって、保存則、パリティ対象性、対称性の自発的破れ、ローレンツ変換、ゲージ対称性、超対称性と話を広げていく。うまいなあ。

もう一つ物理の特集記事があって「時間は存在するのか」。普段は相対論ぐらいまでの話だが、本記事はホイーラー・ドウィット方程式(時間変数がない)、ループ量子重力理論(時間の元となる粒子が相互作用して時間を「編み出す」)まで紹介している。

 

写真はウェッブ望遠鏡最新ショットが綺麗。こういう綺麗な写真を撮るも望遠鏡の重要な役割というのが分かるし、それぞれの科学的意味合いの説明が付いているのは科学雑誌の役割。いて座C領域の写真の恒星密集ぶりがすごい。

 

「血液検査でがんの早期発見にいどむ」はマイクロRNAを使ったがん検診の解説。そういう科学的な側面だけでなく、「血液や尿から複数のがんを一度の発見しようとする検査の中で、検査を受けることでがんの死亡率が下がると証明されたものは、まだ一つもない」(p.113)という重要な記載もある。