k-takahashi's blog

個人雑記用

プトロコル・オブ・ヒューマニティ

 

AIの話でよく「身体性」の話題が出てくるが、本書はもう一捻りしている。怪我で義足を着けることになったダンサー。当然彼は体を動かすことの専門家である。その彼がAI制御義足を通じて、人間とAIの交流を図ろうとする。義足をメディアとし、その上で行われるやりとりがプロトコル。そのプロトコル人間性を載せることができれば、AIを人間らしく振る舞わせることができ、それが人間的ならAIは人間とみなせるのではないかということになる。チューリングテストの変形みたいな話。

ここに、他の人間関係(親子関係、兄弟関係、恋人関係)や、突然の関係消失(事故死)、関係の困難化(認知症)をおりまぜていく。ロボットも、義足を通じてとはいうものの、人間型も産業ロボットも両方登場する。

 

個人的にはダンスはあまりピンとこないので、頭の中ではミクに変換して読んでいることが多かった。ただ、ダンスが分からなくても十分面白いロボット/AI SFなので、お薦め。