k-takahashi's blog

個人雑記用

ウイルスvs人類

 

 豪華メンバーによる解説本。NHKの番組の内容をベースにしたもので、良いまとめになっている。普通にSARS-CoV-2の情報を追っている人ならほとんど知っている内容だとは思うけれど、語り口とかも含めた情報量は多い。

あとは、瀬名先生自体が医学/薬学に明るいこともあるのだろうが、副反応について何度も注意を喚起していたり、薬が効くとはという話が多いのも興味深かった。

 

一つ知らなかったのが、

コロナウイルスウイルスはRNAウイルスでも極めて例外的にゲノムの変異を修復する酵素を持っている(No.1755)

というところ。RNAは変異しやすいのでワクチンが作りにくく、何度も流行するというのは知っていたが、このコロナウイルスの特徴は知らなかった。

 

あと面白いのは、SF作家瀬名秀明が出てくる部分。

総合知を達成するには人間として限界があるのだ、ということを誰よりもはっきりと示したのが小松左京という作家だったと私は思う。(No.1947)

 「科学者、技術者(そして作家)は、未来に対して楽観的であって構わない。しかしつねに謙虚でなければならない」と私は番組のNHKテキストに書いた。クラークの著作と生涯を学び直し、改めて敬愛の念を持った上で、彼のその先に何が出来るのか考えたかったのである。(No.2088)

 直接ロボットは出てこないのだけれど「Empathy/Sympathy」とか、やっぱりAI/ロボットの取材で追求しているトピックだろうし。