- 作者: 森瀬繚
- 出版社/メーカー: 新紀元社
- 発売日: 2005/12/02
- メディア: 単行本
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「クトゥルフ神話ガイドブック」(朱鷺田祐介)*1にも記されていたが、クトゥルフ神話の広がりは既にあらゆるシーンにと言って良いほどになっている。そのように「浸透と拡散」していった先の作品を観る人達の大半にとっては、いちいちHPLレベルにまで立ち返る必要はないだろう。が、「大半でない」一部の人達がHPLに興味を持つことはありえる。
その人達がまず読むべき本が無かった。
従来無かったことには理由がある。クトゥルフ神話の面白さというのは、ディテールや不明確さ(ほのめかし)にあるからである。しかし、そのようなものをいきなり見せられたところで、大半の人にとっては敷居の高さが目立つばかりになってしまうだろう。
結果、
クトゥルフ神話への愛のないライターが書いた入門は、一見分かりやすいが薄っぺらく的はずれ。
クトゥルフ神話への愛にあふれたライターが書いた入門は、本質的ではあるが難解すぎるて分からない。
という構造問題が生じていたのである。
そこを極力我慢して、うまくまとめたのが本書。
既にクトゥルフ神話に慣れ親しんだ人にも、手元に置いて損の無い一冊です。記憶のリフレッシュにもなるし、人に説明するときの資料にもなる。
追記(3月14日)
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*1:こちらは詳細モードで書かれている。面白いのでお薦め。