- 作者: エリザベスムーン,Elizabeth Moon,斉藤伯好,月岡小穂
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2006/11
- メディア: 文庫
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例によってトラベラー小説的なのだが、もちろん、武装船団云々のところはあまりトラベラー的ではない。しかし、貿易関係の描写(便器が高く売れるんですよ!、とかイヌが非常に高価な星とか)や金勘定はまさにトラベラーのり。そして、宇宙港でのトラブルは、裁判に巻き込まれたり、現地官僚と揉めたり、自分の立場が疑われたり、その星特有の習慣への対応に苦慮したり、密輸に巻き込まれたり、と読んでいて実に楽しい。
活劇スペオペとはいえ、21世紀に書かれたSFで「書類の束」とか出てくるとは。
終盤の戦闘シーンは、兵器の性能や様々な要素、機雷と位置ポテンシャルと攻撃防御のエネルギー配分とハイパースペースへの突入ポイントと船のコンピュータ処理能力とか色々なものをさらりと混ぜ込みつつスピーディーな展開で盛り上がって良かったと思う。これはトラベラーでは再現しにくい。
次巻では、「アーゲロス船長の顧問」が登場して一悶着するだろうとして、武装船団作りはどこまで進むのかな、楽しみ。