- 作者: 大森望
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2012/10/05
- メディア: 文庫
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当時の若き大森望の暴走ぶりと、徐々に業界人化していく様子が面白い。
もちろん、様々な小ネタや、一応翻訳関係の話題も色々と。SF翻訳の話は、翻訳家の話と不可分なんだねえ。
そして、後記、文庫版への後記、と書き足されている部分が時代の流れを感じさせる。ネットとかパソコンとか全然違うし、実は翻訳文の作法も10年20年で随分変わっているのが分かる。
真面目なSF翻訳ネタも色々出ていた。中に『鏖戦』の話題が出ていて、最初に読んだときに目が点になったのを思い出した。本書で引用されているのは以下の部分。
従上の先賢、人種との意思疎通を為すに於て、還た相い似たる底有りや。汝また作麼生。
このとんでもない訳文がどういう風に位置づけられるのかが解説されていたりする。(英文としては、割と普通の文。それがなぜ、こんな文になるのか、という話題)