k-takahashi's blog

個人雑記用

私、おバカですが、何か?

私、おバカですが、何か?―偏差値40のかしこい生き方

私、おバカですが、何か?―偏差値40のかしこい生き方

 自分がいかに「おバカ」であるか、早稲田のAO入試の苦労譚、勉強の仕方についてのノウハウ集、の3部からなる一冊。
第3部は、まあ良いです。普通のノウハウ集で、受験ノウハウとしてはこんなもんでしょう。


 読んでいて気持ちが悪い(と言うと語弊があるな。違和感バリバリで作り物っぽいという方が正確か。)と感じたのが最初の部分。自分が「いかにおバカか」を語る部分なのですが、非常に分かりやすく整理して書かれています。これが三人称で書いてあるなら笑って済ませればいいのですが、一人称で書かれているが違和感の原因だと思う。クレタ人のパラドックス的な座り心地の悪さを感じると言うか、内容と文章が全然合ってない。おそらく本人としてはウソは書いていないのだろうと思います。でも、多少の記憶違いはともかくとして、その頃そう言う解釈はしていなかっただろうなとは思うし、もしそういう解釈をしていて振る舞っているのだとしたら、「おバカ」はカタリです。頭の悪い人の書いた文章って、そもそも何がどう変なのか、という整理が自分の中でできていないんですよ。それができているので作り物っぽく感じてしまう。


 入試を決心して以降の部分は、ひたすら要領よく振る舞って試験に合格してしまう。私個人はもういい年なので、「ああ、うまくやったね」と受け流せるけど、この本、現役受験生が読んだら相当不愉快に感じるかもしれない。が、「3週間で800単語暗記できる」人なんですよ、作者は(私は現役受験生のときでもそんな芸当はできませんでした)。 頭が悪いというレッテルを鎧にしている、頭がそこそこ良く、非常に要領の良い人なんですよ、この人は。
 なので、まあ、まじめに努力しましょう>受験生の皆様
 そうそう、筆者は「早大生」というレッテルを持った途端、周囲の扱いが変わったというようなことを書いている。これは本当。私も大卒というレッテルのおかげで何度か救われてます。門前払いされる率が減ります。つまりチャンスが増える。


 で、結論を言えば、外見の良い人は得だよね、かな。という冗談はさておき、帯にある「夢も希望もないと思いこんでいるあなたに贈る 一発逆転本」というのはかなり謎。勿論そう言う人もいるだろうけれど、本書に書かれたノウハウを実行できるだけの基礎能力があることが前提になるわけで、それが多数派とは思えない。 私のような物好きが想定読者なのかな。
 本書を読んでやる気を出して貰えるならそれで充分なのかも。