- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2007/10/25
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特集はクリスマスSF。面白かったのはやはりコニー・ウィルス。主人公の真剣さと裏腹に、事態の異常さが笑えてくる展開。その異常さの描写に、長大なクリスマスレターという変な習慣をうまく生かしている。確かにネタはSFなんだけど、笑えるお話という印象だった。
もう一つはワールドコン総括特集。「SFマガジンから見た」ワールドコンですし、テッド・チャンは来月号の特集でまとめるということなので、微妙に私の感じとはずれているところが面白い。
ブリンのGOHスピーチは、永久保存版ですね。これはどこかのサイトで全文公開した方がよいと思う。
小川隆氏のレポートでは、氏の日頃の主張が今ひとつうまく表現できなかったということが何度か触れられている。スリップストリームが認められないのはSFが保守主義が顕著になったからだとか、将来への危機感が皆乏しい(どうやって若者にアピールするか、というセッションもあったよ)とか。でも、小川先生が詰めすぎなくらい頑張ったおかげで色々あったわけで、それは良かったのだろう。
大森望氏のコラムで、ニール・ゲイマンがヒューゴー賞を逃した件が書いてあったのだが、笑った。ゲイマンは「パーティで女の子に話しかけるには」というショートストーリー部門でノミネートされていた。これは、タイトル通りシャイな男の子の話なのだが、大森氏は、ゲイマンがサイン会を逃した女性ファンのためにサインをしているとき、メモに電話番号があるのを見つけてすぐに彼女に電話をかけている様子を見てこう言う。
どうしてあなたが今年のヒューゴー賞を獲れなかったのかよくわかった。パーティで女の子に話しかけるのに苦労したことなんか一回もないでしょう。そんなモテ男があんな小説書いてもSFオタクのハートはつかめないんですよ!! (p.163)