k-takahashi's blog

個人雑記用

SFマガジン 2007年9月号

S-Fマガジン 2007年 09月号 [雑誌]

S-Fマガジン 2007年 09月号 [雑誌]

 先月までの2号連続のワールドコン対応(ヒューゴー賞候補作の翻訳)、来月は完全にワールドコン特集なので、その狭間の号。特集はヴォネガットの追悼なんだけれどもインタビュー一本を除くとあとはエッセイとかばかり。中に香山リカが並んでいるのを見て、スキップ決定。


 読み切りで「Boy's Surface」(円城塔)が載っている。本号のめだま。このまま「SelfRefernce ENGINE」に取り込んでも、気がつかないかもしれないな、と思いながら読んでいました。レフラー球のイメージを思い浮かべながらニヤニヤしてしまいました。


 「ゼロ年代の想像力」は第3回。今回のキーフレーズは「トーナメントからカードゲームへ」。「トーナメント」は推移律が成り立つ(A>B、かつB>CならA>C)世界観、「カードゲーム」は推移律が成り立たない(じゃんけんとか)世界観のこと。これは闘いのことだけでなく、社会構造や社会規範なども含むものである。だから、闘う相手も「上」ではなく「横」になる。そのため、闘って勝って上に上がってどうこうする、という構図が成り立たずひたすら戦い続けるのだ、と。私はジャンプマンガには疎いのだけれど、そういう変化があったのだというのが著者の主張。著者の言う「サバイブ」との結びつきまでは、今一得心できず。