k-takahashi's blog

個人雑記用

怪しい伝説 Episode 76: Voice Flame Extinguisher

 今回のお題は2つ。一つ目は、人の声で火を消すという伝説。二つ目は催眠術。


 人の声で火を消すというのは、チャールズ・ケロッグという博物学者のエピソード。彼は動物の鳴き声を巧みにまねるという特技をもっており、それを使って火を消すこともできたというのである。
 そこで、アダムは彼が使ったという道具を再現し、ケロッグの声を記録したCDから再現した音声を出してみた。しかし、それでは炎は消えず。アダムが犬の鳴き真似をしてもダメ。ケロッグは、高音ほど火を消す能力が高いと言っていたのだが、色々な周波数の音を電子的に作ってあててみると、効果がありそうなのは低周波のほうだった。そこで、発信器からアンプ経由でスピーカーにつなぎ、スピーカーの前に蝋燭を置くと、これなら火をけすことができた。人間の声ではできないのか、ということで、地元のアカペラグループに頼んで実験を手伝って貰う。ベースの人が唇をふるわせる歌い方をしたところ、アンプ経由ながら炎を消すことに成功。
 では、もっと大きな火だったらどうなるか。プロパンガスを使ってみたところ人の声では残念ながら消せず。それでも、巨大スピーカーを並べてみると、消すことに成功。
 ここから例によってエスカレート。爆発で油田火災を消すという話があるが、あれを試そうということに。ガソリンを使って高さ数メートルの炎を燃やし、その脇で爆発を起こして火が消えるかどうか試してみる実験。黒色火薬ではうまく消えなかったが、高性能爆薬では見事に成功。
 ところで、ジェイミーが「圧力で酸素が絶たれるから火が消える」と言っていたのだが、その説明で正しいのだろうか。


 催眠術の方は実験が2つ。
 一つ目は、マンガや映画でよくある「催眠術をかけて指令を与えておくと、トリガーを起こせばその指令通り人が動く」という話の検証。まず、アシスタントチーム3人の催眠への入りやすさを調べてみると、意外にもグラントが一番かかりやすいということになる。そこで、グラントを催眠状態にして2つの指示を与えてみた。「量子物理学という単語を聞いたら、大事にしているロボットにハートマークを描く」「キャリーがあくびをしたら、飛び跳ねる」の2つ。翌日、実験室で、トリーとキャリーがトリガーを出してみるがグラントは反応せず。それどころか、直後の堪えきれず爆笑してしまう。そういう暗示を与えられたことを実はしっかり覚えていたのだそうだ。
 そこで、もう少し素直な性格の人を、ということで、プロデューサーを相手に実験しようとするが、これもすぐにばれて失敗。意に反した行動を催眠術で強制するのは無理という結論。

 二つ目は、催眠術で記憶が甦るかどうかの実験。これは、アダムとジェイミーの発案で、こっそりと準備された。
ジェイミーのところに荷物を届けに来た配達員とジェイミーとでトラブルとなる、というストーリーを仕込んでおいて、アシスタントチーム3人が作業をしている横で演じてみる。終わったところで、3人がどの程度ディテールを覚えているかをテスト。その後で、催眠術をかけて、同じテストをしてみる。さて、催眠術により記憶を呼び覚ますことはできるか。
 意外なことに、これは有効で、キャリーは会話を、トリーや配達員の名前を、グラントは配達員がタトゥーをしていたことを、それぞれ思い出すことができた。リラックスした感じで思い出しやすかったという証言があり、これはそれなりに有効なようだ。

 催眠術で子供の頃の虐待経験を思い出して、というのが問題が多いと聞いていたのだが、ちゃんと使えば効果があるというのは意外だった。