- 出版社/メーカー: ジャパンミリタリーレビュー
- 発売日: 2008/11/10
- メディア: 雑誌
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2008年8月の南オセチアとアブハジアの独立運動を巡るグルジア対ロシアの軍事衝突は、グルジア軍、ロシア軍の実力をある程度正確に把握し、(日本のような国にとっては)ロシア軍の現状と今後の脅威度(実力)を推測するいくつかの手がかりが得られたと言えよう。(p.28)
詳細は次号以降ということで、今号は概要。基本的にはロシア軍の圧勝で、グルジアの軍事インフラは徹底的に破壊されてしまった。戦略予備部隊を短期間で投入できたことは注目に値するし、実戦経験を活かした装備も見られている。一方でグルジア軍の弱さを考えると、ロシア軍の損害が多すぎるということのようだ。特にバックファイア撃墜された件は、そもそもなぜそんなものを投入したのか疑問であることや、対対空戦闘が上手くいかなかったことなどから空軍および陸空連携に相当問題を抱えていることを示すようだ。
鳥羽利男氏のレーダーについての連載は「第5回 対空レーダー&電子戦の開始」。日露戦争中(1904年3月)に行われた旅順砲撃の弾着観測無線の妨害から紐解いている。手短にまとまっている読みやすい記事。
菊池俊之氏のコラムは「ネット情報の時代 プロが正しく生きる道」という題。情報伝達や広報の難しさから始まり、ネット情報の安易な利用を戒める記述もある。「参考にするだけならまだしも、そのままコピーペースとして記事にしてしまう記者も増えてきているという。これは著作権云々の問題ではなく、記事の信頼性に関わる一大事だ」と書いており、wikipediaの記事に間違いがある件(最新のwikipediaでは修正済)を例にあげている。まさか、全国紙がwikipediaの記載を誤読したあげく容疑者をでっち上げる記事を書くとは予想していなかっただろうが、とんだ意味でタイムリーな記事になってしまった。