勝間和代のビジネス頭を創る7つのフレームワーク力 ビジネス思考法の基本と実践
- 作者: 勝間和代
- 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 発売日: 2008/06/15
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 41人 クリック: 456回
- この商品を含むブログ (290件) を見る
作家の大石英司先生が御自分のブログで、年末年始に何度も「自分には合わない」とお書きになっていましたが、私は良く書けたビジネス啓発本だと思いました。科学関係の幾つかの記述に若干引っかかりがあったり、終盤の精神論の辺りに違和感を感じたりもしましたが、その辺はマーケティング対策なのでしょう。
内容自体は、著者も書いているように、目新しいものではない。ここ数年の売れ筋の流れ(勉強法ブーム → 知力ブーム → ビジネス思考テクニックの紹介)に合わせて、著者の持つ知識を整理紹介したものである。ただ、この流れに乗って本を読んできたような人にターゲットを絞っており、ターゲットに合わせた書き方にきちんとなっているから売れたのだろう。文章も読みやすい。
全体のまとめ方は綺麗です。このまとめ方を参考にするために買うのもあり。各フレームワークを会得するためには何をしろ、というのもきちんと書いてあるので、適宜取捨選択するもよし。(全部やるのは無理でしょう。一つ二つを選んで実行するのが多分正しい本書の使い方)
途中に「基本的なフレームワーク21選」と称して、よく使われる(≒有用な)フレームワークがカラーページでついています。読み終わったら、このページだけ切り取って、ラミネートして机の脇に置いておくのもありかな。(役に立つと思います。)
言い回しとしては、冒頭の「空・雨・傘」という言い回しはとか上手いと思ったし、ブレストやアイデア検討をする際の注意事項にあった「素人マーケターになるな」(自分の経験や知識に基づかない思い付き的意見)もなるほどと思った。
微妙に本論とはずれますが、私が一番気に入った言い回しの部分を引用しておきます。
私は近視なので、コンタクトレンズや眼鏡が必要ですが、言葉というのはこの眼鏡に近いのかなと思っています。
眼鏡がないと、ぼんやりとしか見えない私たちの視力、あるいは世界観において、言葉がフィルターとなり、焦点を結んでくれるわけです。
焦点を結ぶ先は、相手そのものだったり、相手の考え方だったり、共通した抽象的な概念だったりします。(p.242)