スミソニアンの大半は、ワシントンのダウンタウン地域にあるのだが、実は空港からダウンタウンまではかなり遠く、平気で1時間以上かかる。ということで、今回は空港近くにある航空宇宙博物館の別館「ウドバー・ハジー・センター」の見学に出かける。
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このかまぼこ状の建物は長さ300メートル。写真が無くなってしまったのが残念ですが、やたら広い。
大戦後、二次大戦時、極初期の航空機、民間航空機、スポーツ機、特殊機体、ロケットとミサイル、宇宙、といったところに大きく区切られていて、博物館ものの航空機がずらりと。(いや、博物館ですけど)
大戦後
入り口から入った正面にあるのがSR-71。真っ正面から見ることができるため、その異様な薄さ、巨大なエンジンがよく分かる。本博物館の目玉展示の一つで、集合場所の指定にもよく使われている。
ファントム、トムキャットといった大型機体(トムキャットはでかい)、シューティングスターやクルセイダーも展示されている。ジェット機というのがずんぐりしているのが印象的。
シューティングスター
ファントム
二次大戦時
政治プロパガンダが大好きな人達には一番人気のエノラゲイが鎮座している。そういうつまらない話を脇に置けば、とにかくB29の巨大ぶりがよく分かる。日本機(月光、紫電改、屠龍)はもとより、サンダーボルトやライトニング、ヘルキャット、コルセアなどと比べても遙かに大きい。だてにスーパーフォートレスの名前を持っていたわけではなかった。機首からの視界を確保するために大きくガラス張りになっているのが、機体全体の銀色と相まって印象的。
日本機も何機か展示されていまる。桜花も展示されているのですが、やはり色々な意味で無茶としか。
月光
桜花
屠龍
晴嵐(後ろに、B-29の尾翼が見えている)
紫電改、紫電改(やはり、後ろにB-29が見えている)
民間航空機
目玉はコンコルド。全体が非常に細身なので、非常に小さく見える。印象としては、B29より小さく、ブラックバードと同じくらいに見える。(実際にはコンコルドの方が大きいのですが)
派手なカラーリングで目立つ367−80も展示されている。B52の民間派生型なので、さすがに大きい。
宇宙
スペースシャトルの実験機エンタープライズが実機展示されている。隣には、シャトルのコンセプトが決まるまでの様々なパターンの模型も展示されていました。
様々なコンセプト模型
移動検疫隔離。ガラス越しに飛行士が笑っている写真がいくつかありますが、かなり奥行きがあって、ちょっと驚いた。考えてみれば短期間とは言え生活するのだから当然か。
付属品として遮熱板や、非常用の浮き袋、グライダーなども、本物がずらり。
ジェミニの遮熱板(使用後)
滑空制御用として研究されたグライダー
古い計算機(機体用、管制用)もたくさん展示されていました。
ジェミニ8号誘導計算機
IDEX II
Atlas-Agena
CDC 3800
UNIVAC 1232
ベルリン空輸作戦60周年
企画ものとして、ベルリン空輸作戦60周年の展示がありました。作戦の概要を説明するパネル、当時実際に送られた缶詰、子供達への慰問用に送られたCandyBomberパラシュート付き菓子などが並んでいました。
戦闘行為が無かったからと言って、犠牲者が出なかったわけではない
その他
以上のはしょった説明でも、全体の数分の一といったところ。3時間かけてやっと一回り。
おまけに、まだ手狭だからと言うことで拡張工事継続中。