k-takahashi's blog

個人雑記用

ニュートン 2010年5月号

E=MC^2

 特集は、「E=MC^2」。相対論の復習と、相対論を前提にしたときに質量とエネルギーの等価則が導かれることの説明。
箱の中で発光器が左右に同量のエネルギーを放出し、その箱が速度vで運動しているとする。そのとき、箱の中にいるAさんと箱の外にいるBさんとでは、以下のような違いが生じる

  • Aさん:発光器は左右に同じエネルギーを放出するので、発光器は箱に対して運動しない
  • Bさん:発光器が出す光は、いずれも運動方向に斜めに進む。よって、その反動によって発光器は箱に対して、運動方向と反対方向に加速される。

しかし、これは矛盾である。このとき、何を想定すれば、この矛盾は解消されるだろうか。というのがアインシュタインの1905年9月の論文で行われた思考実験だったそうだ。

 これを「エネルギーの放出により発光器は質量を失った」と仮定して相対論を用いて計算すると、失われた質量と「放出エネルギー/(光速度の二乗)」が等しくなるのだそうだ。 本誌では4ページ使って丁寧に解説している。(さすがに級数展開は所与として使っている。となると高校生には難しいかな。)


 その後の、村山斉IMPU機構長のインタビューも面白い。「ヒッグス粒子は無いかも」とか「暗黒エネルギーも無いかも」とか。

液体ダイヤモンド

 短信で面白かったのが、「ダイヤモンドが溶ける条件」(p.9)。
1100万気圧で5万度にするとダイヤが溶解し、金属のような性質を示すのだそうだ。正直なところ、ダイヤが溶けたの意味がよく分からない(ダイヤモンドって結晶構造のことじゃなかったのか?)のだが。
 天体中心近くではこの条件が満たされることがあるので、そういう方向から意味のある実験らしい。