SFマガジン ２０１０年７月号

S-Fマガジン 2010年 07月号 [雑誌]

　特集は「メタルギア・ソリッド」。
　私個人は、メタルギア・ソリッドの１で、「優性遺伝」の連呼と、くどい演出の繰り返しに辟易してその後は遊んでいないのだが、世間的には評価の高いゲーム。
もっとも、伊藤計劃つながりがなければ、SFマガジンで取り上げるほどのものとは思わない。ということで、さらりと流し読み。
　ううむ、トリビュート短編のひとつくらいは載せてくれても良かったような。

　もうひとつの「柴野拓美」追悼は、心のこもったエッセイ１５本。ワールドコンの時の姿が眼に浮かぶようで。常に名前のあがる巨星でした。

クトゥルー特集続報

　今月号の「てれぽーと」には、岡和田晃氏が登場。こちらもTRPGについての中村融氏の誤解を指摘する投書。

　そのため、五月号の特集解説で語られたような、ダーレス的な解釈を蔓延させ、コズミック・ホラーとしてのクトゥルフ神話の本来性を失わせしめた決定打であるかのようにCoCを位置づけることは、認識が転倒していると言わざるをえません。
　メディアは多様化し、神話の解釈もまた輻輳化しています。そうした状況下、ゲームという形式でしかなしえない方法でコズミック・ホラーを表現した、重要な達成のひとつとしてCoCを評価しなおすことこそが、「クトゥルー新世紀」を語るためには、むしろ必要だったのではないでしょうか。(p.205)