k-takahashi's blog

個人雑記用

コマンドマガジン93号

 付録ゲームは「ドライブ・オン・クルスク」。特集記事もクルスク。


 クルスク戦も、再検討が進み「待ち受ける赤軍要塞に無謀な攻撃を行い頓挫する独軍」という見方が必ずしも正しくないという意見が出てきている。
その中で、大久保城治氏の作戦研究記事が興味深い。

クルスク戦のゲームの研究は、そのゲームの殆どが「会戦」に焦点を当てたものであるため、どうしても戦術研究が主体となるが、「ドライブ・オン・クルスク」はプレイヤーが戦いのグランド・デザインを描くことができる作戦級ゲームである。よって、「作戦研究」も成立する。史実における歴史背景を眺めつつ、本作で取り得る作戦について考察したい。(p.25)

という文章で始まり、歴史的背景としては以下のような分析をしている。

それぞれの理由から、どうしてもこの時期に一大勝利をあげる必要があった。逆に見れば、一大勝利をあげることができれば、場所は例えばレニングラードでもどこでもよかったのである。勝利を挙げるのにもっとも容易な場所としてクルスクが選ばれたと言うことなのだ。
(中略)
このゲームにおける勝利条件は、独軍が基本的に180点以上取れば勝利で、別にクルスクを取ることが勝利の絶対条件ではない。
考えてみれば当たり前で、モスクワ戦などと違い史実に於いて独軍はクルスクを取るために戦ったのではなく、東部戦線における一大勝利のために闘ったのである。このゲームにおける勝利条件においても、独軍としては都市の占領より、敵野戦軍の撃破を狙った方が現実的であり、結果的にクルスクを取らなくても勝利条件は達成できる。(pp.25-26)

計画段階の自由度は高い反面、経営段階の自由度は極度に低い。(p.26)

このゲームは、従来の作戦級の枠に収まらない、新ジャンルのゲームなのだと思う(あえて呼ぶなら「計画級」になるか)。(p.27)

そういうのが計画級なら、44年〜45年の西部戦線でもできそうなんだが、その辺どうなんだろう。


 プレイヤーの楽しさが計画を立てるところにあるという位置づけなので、リプレイが載っていないのだとすれば、まあ納得できる。
でも、次々号あたりにはリプレイと作戦研究記事の続編が載って欲しいなあ。