Newton (ニュートン) 2010年 09月号 [雑誌]
- 出版社/メーカー: ニュートンプレス
- 発売日: 2010/07/26
- メディア: 雑誌
- 購入: 2人 クリック: 15回
- この商品を含むブログ (8件) を見る
特集
特集は地球。生命をはぐくむ条件とかそういう話。本特集によれば、条件は
- 太陽からの距離(ハビタブルゾーンの話)
- 岩石型惑星
- サイズ(サイズが小さいと水が逃げてしまう。実は地球も誕生以来2割の水を失っているのだそうだ)
- 太陽の寿命
- 安定した公転軌道(太陽系内の大型惑星が2個以下)
の5つ。さらに地球が持つ有利な条件として
- 海の大きさ(熱移動による温度の平均化)
- 1日の長さ(長すぎると、やはり環境が不均衡になる)
- 自転軸の傾き(傾きすぎると、環境が不均一になる)
- 月(自転軸のふらつきが巨大な月により安定化)
- 二酸化炭素の吸収(海による吸収と陸地による吸収)
- プレート運動による二酸化炭素濃度調整
- 酸素の存在(オゾン層)
- 磁場による太陽風避け
なのだそうだ。それらを一つ一つ解説している。
解説記事で面白かったのがドレイク式についての話題。オリジナルの解説をしたあとで、北海道大学大学院理学研究院の倉本圭博士が以下のような別の式を紹介する。
Nhabitable = Ng × fp × fage × fsingle × fmetal × fdisk × fhz
中身は記事(pp.64-67)を読んで頂くとして、面白いのはここから導き出される数字。
オリジナルドレイク式からは10個と推定した倉本博士は、新式からは30〜125個という結果を導いている。それくらいなんだなあ、と。
ハビタブルゾーンに関してはこんな記述もあった。
従来、太陽系のハビタブルゾーンは、金星のやや外側から火星のやや内側程度までだと考えられていた。しかし、近年、太陽系のハビタブル・ゾーンは、火星よりも外側まで広がっていると考えられるようになりつつあるという。東京大学大学院理学系研究科の田近英一博士は次のように解説する。「火星の少し手前を境にして、その外側の領域では、二酸化炭素の雲ができると考えられています。以前はこれが惑星の反射率を上げて惑星を冷やすと考えられていたのですが、それよりも熱を逃がさない効果の方が大きいと考えられるようになりました。(p.29)
短信
ツタンカーメンの死因に新説、というのがあった。今年6月にドイツのベルンハルト・ノッホ熱帯医学研究所が発表したもので「鎌状赤血球貧血症」が死因だというもの。今年2月にザヒ・ハワス博士等が発表したマラリア説とは異なるもの。 まだまだ論争は続きそうだ。
誤植
見出しに「10億光年以内に恒星は7つ」とか書いてあってびっくり(p.14)。「10光年」の誤植ですね。