k-takahashi's blog

個人雑記用

NOVA1

いちばん不足しているのは、ガチガチのSF(本格SFやハードSF)を発表できる媒体だという結論に達した。スリップストリーム系の(つまり周縁的な)SFならたいていの雑誌が許容してくれるが、ど真ん中のSFはいまもけっこう書きにくい状況らしいのである。そうなるとやはり、SFを中心に据えた、SF読者を主なターゲットとするオリジナル・アンソロジーがほしい。(編集後記、より)

ということで、大森望が5年越しで温めたアンソロジー

 なんと言ってもお薦めは「自生の夢」(飛浩隆)。サイエンスやテクノロジーを正面からとらえるのがハードSFの王道だとすれば、まさに本書でいちばんのハードSF。英題は "Interview with the Columns of Cloud"。Google(Godel)、BABEL、GEB、なんて単語に彩られ、ARとライフログtwitterが一般化した世界を舞台にした情報系言語SF。最初と最後をフランケンシュタインで締めるところもよい。
 「情報を整理し尽くす」ときに何が見いだされるかという辺り、実に面白い。この短編一つのために本書を買う価値はあると思う。


 そして、伊藤計劃の「屍者の帝国」。続き読みたいよお。