コマンドマガジン Vol.94(ゲーム付)『ビルマ電撃戦』『フライング・タイガース』
- 出版社/メーカー: 国際通信社
- 発売日: 2010/08/20
- メディア: 大型本
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フライング・タイガースは、VictoryAtSeaをベースにしたシステムで、航空侵攻戦を描いたもの。後述の堀場氏の記事にもあるように、航空戦の比重が高いのだとすれば、この割り切りは結構行けそうな気がする。
大久保城治氏の「ビルマの裏側で」の記事は、「ビルマ電撃戦」のテストプレイレポート。
一見正しそうな設定(日本軍にZOC侵入離脱追加コスト無し、中国軍は移動に関して補給切れ、ラングーンの占領は勝利条件に入れない、など)が、テストプレイを重ねても「しっくりこない」理由になっており、それが段々修正されていく様子が記事になっている。
勝利条件の変更がゲームに与える影響や地図の修正の影響(インドの面積を狭くしたら、英連邦軍がビルマに到着するまでの時間が短くなり、展開が流動化した)も具体的に書かれている。
堀場瓦氏の「ゲームで読み解くビルマ戦役」は、ゲームデザイナーがビルマ戦をどうとらえたかという観点からビルマ戦役を分析する記事。
前記(〜1942年)
この時期を扱うゲームの特徴としては、いかにして日本的電撃戦を再現できるか、ということになるだろう。また、「日本の進撃」とCFFがともに航空戦を重視したシステムを採用していることは偶然ではない。つまり、日本軍によるビルマ侵攻作戦は航空作戦が大きな比重を占めていたのである。(p.14)
末期(インパール作戦〜)
この時期を取り上げたゲームはどのように補給を処理しているかが見所の一つだと言えるだろう。またウェインゲート旅団や中国軍の扱いもなどもポイントとなる。(p.17)
もりつち氏の「とある戦略級ゲームにおけるビルマ戦役」は、GMT社のEmpire of the sunの紹介記事。今回の特集合わせでビルマの位置づけについても語られており、インド、中国の両国の動静に影響と与える重要なポイントと位置づけられている。豪州軍のインドシナ派遣の意味(インド防衛に不可欠)も示されている。
PFとEoSという比較においては、PFは海戦、EoSは政略戦に焦点をあてた作品と言える。両者の違いを見ると、日本のゲーマーが太平洋戦争ゲームに求めているものが何か見えてくる。そしてEoSが日本のゲーマーに今一つ受け入れられていない理由についても。
EoSは太平洋戦争における政略という新たな視点をゲーマーに提供してくれる作品である。そしてEoSは、あの戦争が連合軍側にとっても決して楽な戦いではなく、終盤に至るまで苦闘の連続で合ったことを教えてくれる作品でもある。(p.25)
国産の大東亜戦争テーマのゲームは「日本はなぜ負けたか」、米国製は「米国はなぜ勝てたか」という視点の違いがあるという話は以前読んだことがあるが、いまでもそうなんですね。