k-takahashi's blog

個人雑記用

SFマガジン 2010年12月号

S-Fマガジン 2010年 12月号 [雑誌]

S-Fマガジン 2010年 12月号 [雑誌]

 マルドゥックの劇場アニメ合わせの冲方丁特集。予告編「Preface of マルドゥック・アノニマス」はウフコックの一人称で事件と背景の大雑把な流れを語る短編。


 もう一つの特集はホーガン追悼。初訳短編「プリンセスに銀の靴を」と追悼エッセイ、邦訳長編ガイドで構成。短編の方は、ロボットと少女の交流に始まり、少女が世界と自分とに疑問を感じ始め、そして世界の真実を知るに至るまでを描いている。1979年の作品で、古き良きホーガン節です。
 追悼エッセイの方は、大体予想通り。やはり、「星を継ぐもの」に端的に表れている蛮勇的オプティミズムこそホーガンであり、それは間違いなくSFの面白さの一つである、と。


 大森望のエッセイは最近のアンソロジー関連のざっと紹介。ペンディング中の企画の中にはやぶさトリビュートの無人探査機SFアンソロジーがあるそうだ。ジェイムズ・イングリスの「夜のオデッセイ」を軸にした傑作選の企画だけど、ちょっと時期を外してしまったかなあ、残念。


 「新版世界SF全集を編む」(大森望中村融山岸真)は、相変わらずの暴言振りが楽しい。

山岸:クラークみたいなロートル

大森:今回の全集に酒井訳はいったい何本入るのか。

中村:バラードは『沈んだ世界』『結晶世界』までは、三人ともいっしょなんだね。
大森:あとは『残虐行為博覧会』と『クラッシュ』で割れてる。まあ、どっともSFじゃないから。

山岸:あれはいまだと完全に萌えキャラです。数年前再刊した『宇宙嵐のかなた』にもツンデレ女艦長が出てきたし、ヴァン・ヴォクトはそういうかたちでも掘り返せるかも。