- 作者: エリヤフ・ゴールドラット,三本木亮
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2001/05/18
- メディア: ペーパーバック
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しかし、それらが無いとどうなるのかを実感を持って知っている人は決して多くない。それを物語仕立てで解説するのが本書。
本書で書かれていることは工場での生産なので、私のようにプロジェクト(有期・独自)に関わる仕事に直接適用できるわけではない。だから、本書で示される考え方を噛み砕いて、適用し直さなくてはいけない。色々思い当たるところは多いのだが、さてどうしたものか。と悩むところは本書の登場人物達と似ているのかも。
以下、幾つか引用と感想。
知識のためのお金。これは、しばらく私たちの頭を悩ませた。結局、簡単ではあるが、その知識が何に使われるのかによるのだという結論に達した。たとえば、新しい製造プロセスを可能にする知識を得たとしよう。それが在庫をスループットに変えることのできるものであれば、それは業務費用だ。特許や技術ライセンスなどのように、売るための知識であれば在庫になる。しかし、その知識が製品、例えばユニコ社が造る製品などの一部として付随しているものであれば、機会と同じだ。つまり、お金を造るための投資で時間の経過とともに価値が償却していく。(p.119)
だとすると、すぐに使えない研究成果は在庫。維持にコストがかかり、価値が減っていく、と捉えられる。
もし私がすぐに答を教えてしまったら、君はきっと失敗するに違いない。(p.139)
IV章のハイキング(ボーイスカウトの行進)の喩えは面白かった。
必ずしもいいとも悪いとも言えない。ボトルネックは単に現実なんだ。(p.219)
質問しようとすると、たいてい、生意気で横柄なやつだと思われ、意見を異にすると勘違いされてしまう。(p.413)
だから、トヨタは質問を繰り返すことを定式化したんだな
その後 導入しなかった(p.526)
本書を読んで、良いと分かって、それでも少なからぬ数の会社が陥った結果が、それ。
言うは易く行うは難し。