k-takahashi's blog

個人雑記用

クトゥルフ・ホラーショウ 〜ホラー映画のように楽しむために

クトゥルフ・ワールドツアー クトゥルフ・ホラーショウ

クトゥルフ・ワールドツアー クトゥルフ・ホラーショウ

 ワールド・ツアーシリーズの第1作は、「ホラー映画をテーマにしたシナリオを楽しむための一冊」。

ホラー映画の定義と、キーパー視点での映画の見所解説。ホラー映画ならではの演出を参考とした期パーテクニックの紹介。”クトゥルフ神話TRPG”のテーマとして相性の良い名作映画の紹介。また、ゲームをホラー映画らしくするための選択ルールも充実している。(はじめに、より)

巻末に収録された三本のシナリオである。
定番中の定番のホラー映画をテーマとしており、これまでの”クトゥルフ神話TRPG”に比べると、だいぶ雰囲気は異なるシナリオとなっている。
事件の真相は単純で、恐怖は即物的であり、イベントはどれも致命的だ。おせじにも高尚とはいえない内容である。(はじめに、より)


様々な遊び方ができる中で、あえて「B級ホラー」的なものにこだわっている。解説中では、「これは今作のコンセプトに沿ったものなので、とりあえず普段とは違う」的な言い方をしているが、積極的に遊ぶという意味では、別に色物でも何でもない、きちんとしたプレイ/マスタリングガイドとなっている。
限定的に、即物的にすることで、あらためて「TRPGをプレイするとはどういうことなのか」ということを問い直している面もあり、TRPGをホラー映画的に遊ぶ人だけが対象ではないと思う。


例えば、映画ではよくあるがゲームではやらない方がよいこと、というアドバイスもある。映画を再現するのではなくゲームをしているんだよ、ということを忘れてはならないということだろう。
捨て駒のルールも単なるお約束再現ルールではなく、「好奇心に従って動くこと」を促進するように運用するようアドバイスされている。単に危険を避けるのではなく、能動的に参加することが大事だという指摘だろう。
どちらも同感である。


遊ぶ前には、シナリオ以外の所はプレイヤーも読んでおくことを強くお薦めする。


ただ、シナリオは上述の通りちょっとグロ趣味が強いので、人は選んだ方がよさそうとは思った。