k-takahashi's blog

個人雑記用

クトゥルフ・カルト・ナウ

クトゥルフ神話TRPG クトゥルフカルト・ナウ (ログインテーブルトークRPGシリーズ)

クトゥルフ神話TRPG クトゥルフカルト・ナウ (ログインテーブルトークRPGシリーズ)

こちらは基本的に日本側で作成したサプリメント。「クトゥルフ2010」*1のフォローアップサプリメントという位置づけで良いと思う。要するに、現代物である程度大きな事件を起こす際には、なんらかの組織が背景にあるとした方が作りやすい。そういう組織を「カルト」として、分類・紹介しているサプリメント


クトゥルフファンの間では有名な「銀の黄昏」に始まり、IT企業、新興宗教、土着カルト、多国籍企業、地方都市の裏社会、地方名家、グール、ショゴス、そしてベンチャー、などを紹介しているので、シナリオネタに合わせた部分を引っ張ってきて、流用するなり、修正するなりすればよいだろう。そういう意味で、本書を読んでシナリオを考えるというよりは、自作シナリオを支援するという使い方が向いているのではないかと思う。その点からは、シナリオフックを紹介するよりは、組織バリエーションの記載の方が嬉しかったかな、と。


一つややこしいのは、"Keepers Companion"の一部の翻訳がこっちに載っていること。色々都合はあるんだろうけど、面倒。まあ、どうせ買う人は全部買うからいいや、ということなのかも。


日本で作ったサプリメントなので、著者陣が発表・執筆したシナリオなどのネタバレが多数含まれている。なので、「るるいえ」シリーズや「クトゥルフ2010」などの所収シナリオを遊ぶ可能性のある人は要注意。


あとは、オウムの事件は遠くなったかもしれないけれど、カルトは今でも現実世界の問題である。だから、扱うときにはちょっと注意が必要(カジュアル環境ならまだしも、コンベンションなどでは特に)。
震災関連、原発事故関連、ニセ医療関連とかのカルト問題はずっと続いていて、あの辺りの異常っぷりは参考にもなるし彼らのビジネスの背後に神話的な設定を置けばそのままシナリオになるけれど、半信者みたいな人が身の回りにいたりもするので、トラブルに巻き込まれる可能性がある。(これは、本書というよりは、Role&Roll誌の方かな?)

*1:

クトゥルフ神話TRPG クトゥルフ2010 (ログインテーブルトークRPGシリーズ)

クトゥルフ神話TRPG クトゥルフ2010 (ログインテーブルトークRPGシリーズ)