k-takahashi's blog

個人雑記用

ニュートン 2012年9月号

Newton (ニュートン) 2012年 09月号 [雑誌]

Newton (ニュートン) 2012年 09月号 [雑誌]

当然表紙トップにあるのはヒッグス粒子で、

昆虫小型化の理由(p.7)

古生代の想像図などでは、巨大な昆虫が飛び回っている図があるが、あれは、酸素濃度が高かったからだという説がある。基本的には正しいそうだ。
しかし、カリフォルニア大学のクラファム博士等の調査によると、確かに白亜紀まではその傾向があるが、その後は酸素濃度が上がったにもかかわらず羽の長さは変わらず、新生代以降は短くなっていたとのこと。
これは、昆虫のサイズが酸素濃度だけではなく鳥類の出現に影響されたのではないか、という説。

ヤルコフスキー効果の精密測定(p.12)

ヤルコフスキー効果は、太陽光により小惑星の表面が温められ、そこからの赤外線放射によることによる効果のこと。NASAがこのヤルコフスイー効果の精密測定に成功。
これにより小惑星の質量を測定することができる。
また、しばしば話題になる小惑星の地球衝突も、この効果の影響が無視できない。

ヒッグス粒子

実験装置の節目、標準理論の解説から始まる。
宇宙誕生から10^-10秒後の真空の相転移により、真空の性質が変わり、ヒッグス粒子素粒子に抵抗するようになったということを示し、ヒッグス粒子がなぜ重要かということをよくしられたビッグバンと絡めて説明している(ビッグバンは 10^-36秒後に始まり、その後で相転移が起こっている)
そして、「ヒッグス粒子はさがす時代から理解するへ時代へ」と題し、次の課題も書いている。
標準理論からはヒッグス粒子の質量を予想できないが、ヒッグス粒子の質量が決まれば他のことが分かる。それが他の様々な事柄と一致するかどうかで、見つかった粒子が本当にヒッグス粒子と同じ性質を持つのかが分かる、と。

ダークマター

フリッツ・ツビッキーの研究で銀河の力学質量と光度質量とが一致しないことが示された。ヴェラ・ルービンは、銀河の回転速度が中心からの距離に寄らないことを発見。これらが目に見えない物質、ダークマターの存在をうかがわせることとなった。
その後、MACHO(暗い天体)、ブラックホールニュートリノ、といった候補が提案されたが、いずれも観測と一致しなかった。
今では、ニュートラリーノ説とアクシオン説がある。ニュートラリーノは超対象性粒子で、陽子の1000倍の質量を持つ。一方のアクシオンは陽子の100兆分の1の質量しかもたず、しかも軽いくせに遅いという面白い性質。

花火(p.108)

よく聞く大型花火の仕組みの説明も図入りで分かりやすかったが、線香花火のメカニズム(どのように火花が散るのか)はまだ分かっていないというのが面白い。