k-takahashi's blog

個人雑記用

僕たちのゲーム史

僕たちのゲーム史 (星海社新書)

僕たちのゲーム史 (星海社新書)

あえて、言及するゲームを絞った上で、

ゲームとはボタンを押すと反応するもの
(p.10)

と割り切り、その上で「物語をどう扱うか」の変遷に着目して、ここ30年くらいのコンピュータゲームを総括している。「当時求められていたのは……」といった切り方で、善悪の判断の泥沼に入らないよう注意しているのもよいところ。


この辺に関心のある人なら必読といって良い。良い本です。
ただ、読みにくい(変にレイアウトを崩している)部分があるのと、やはりところどころロジックが飛んでいるような気が漠然とするのとは、一応保留材料として。(思い出補正が入ってしまっているので、「これそうだったっけ?」と思っても断言しづらい。一応、本書では雑誌記事などを根拠としてあるのだけれど、そもそも雑誌記事自体が色々あったわけで、読んでいて「?」と感じた記事も多かった。だから記事を根拠とされてもにわかには首肯できないこともある。)

折角なので、きちんとまとめた本が続編として書かれる(あるいは、論文として発表する)ことを期待。
ただ、オーラルヒストリー的には40代以上の人でないと書けない内容だと思うので、アマチュアがやらないとダメかなあ。(きちんと裏付け取材をすれば、修士論文レベルになると思うんだが、誰が指導するのかというのが……)